「好き」であること。あの映像との出会いから、翻訳への道が始まる。

大久保 拓/株式会社ワイズ・インフィニティ 大阪事業所 制作部。大阪出身。大学卒業後、亡き父の背中を追って建設業界に就職し、5年間勤務するも、翻訳業界への憧れを捨てきれずに転職。2016年12月に同社大阪事業所へ入社。字幕翻訳のチェックや演出を行う、翻訳の品質管理業務を担当している。

── 久保さんにとって、このお仕事をする上での信条、やりがいなどをお聞かせください。

中学生の頃に、たった一言の英単語でも物語の伏線や視聴者への印象付けなどを意識した奥深い字幕翻訳に出会い、深い感銘を受けたんですね。まさに雷に打たれたかのような強烈な衝撃を受け、それから「翻訳ってカッコいいな」という憧れを持ちました。
ただ、実際に自身が翻訳に携わってみると、ただカッコいい、美しく響くだけの表現ではダメなんだとわかりました。独りよがりだったり芸術的な面を追うばかりではなく、あくまで翻訳は「言葉の架け橋」という意識を持ちながら、業務にあたっています。

── の職業に就いて良かったと思えるのはどんな時でしょうか?

自分が演出した作品を日常の中で目にした瞬間ですね。自身が携わった作品をレンタルビデオ店などで借りて見たりすると、自分の仕事が誰かを楽しませたり、喜ばせているという実感があります。
「日本中でこの字幕が出回っているのか」と想像すると、気恥ずかしいような誇らしい気持ちが湧くとともに、改めて兜の緒を締める心情になります。

── の中にインパクトを与えていると実感できる瞬間ですね。

そうですね。少しでもかつての自分のように観た方の心が揺れ動くお手伝いができれば、これに代わる喜びはありません。僕自身がカッコいいと感じ、雷に打たれたような感動を他の方にも同じように味わってもらえたらいいなと思いますし、若い世代に限らずそういった価値を繋いでいきたいとも思いますね。

── 久保さんは、2016年11月に開設されたばかりの大阪事業所に入社されたわけですが、他の企業とワイズ・インフィニティとの違いはどういうところだと感じていますか?

「愛ある経営」を企業理念に掲げている通り、何よりも人を大事にする会社だなという印象を受けましたし、本当に社員全員の人柄が良いと感じます。
特に私の場合は普段は大阪での勤務なので、東京本社とは物理的に離れていますが、たまに東京本社のオフィスを訪れて時も距離感をまったく感じませんし、部署間や上下関係などにおいても壁がなく、全社的にフラットな感じでコミュニケーションが取れています。お客様からのアンケートでも「対応がよい」とお褒め頂くことが多く、全員が企業理念である「愛」を備え持っていると感じていただいているのではないでしょうか。翻訳者同士の交流を目的とした「映像翻訳フォーラム」でも、人と人とのつながりを大切にしている弊社の姿勢が現れていると思います。

── 事をする上で大久保さんが大切にしている一言を教えてください。

「好きであること」です。
前職である塗装工事の現場監督という職業は、亡き父がどんな仕事をしてたのかを知りたい一心で選んだ職業でした。しかし、続けるうちに自分自身がまったく興味のない仕事だと気づき、苦しくなってしまったという経験をしました。
中学生の頃より、映像翻訳に携わりたいという気持ちを抱き続け、そして今、ありがたいことにその夢の仕事に携わることができ、一瞬一瞬が充実しています。例えば長時間の作業でも気力が落ちないという感覚は、現職に就くまではありませんでした。
また、「好き」という気持ちは打算がなく、説明できないものです。しかも物事を肯定する力を持ち、ポジティブに邁進させる原動力でもある。そんな単純だけど説明不可なものに導かれて今の自分がありますし、「好き」を基準に選んだことには後悔がないという経験から、この言葉を心にしっかり留めています。

── 当にこの職業がお好きだという雰囲気が伝わってきます。では、大久保さんの将来の目標やビジョンを聞かせてください。

自分が携わった翻訳作品をご覧いただいた方に、かつての自分と同じく「言葉ってカッコいいな」と感じてもらえたり、「あの言葉が心から離れない」といった気持ちになってもらえるような翻訳を映し出せればと思います。
社会は常に変化し、言葉も変化していきます。その都度の最良を表現するのはもちろんのこと、私自身も日々アンテナを張り巡らせて、新しい表現を探るべく、いろいろな言葉や情報を身に付けていきたいと思っています。

── 後に、お客様や職場の同僚、そしてワイズ・インフィニティに興味を持たれている方に対してメッセージをお願いします。

あくまでも字幕というのは作品と視聴者を繋ぐ架け橋であって、黒子的な役割、楽しむのをお手伝いする存在です。主役はあくまで映像と音声なので、文字ばかりを追いかけてしまうようなものではいけませんし、映像を邪魔するものであってはいけません。
頭の中に流れるように届く、心に響く言葉を捻り出し、違和感のない「透明な字幕」を作っていけるよう日々精進したいです!

 

ワイズ・インフィニティ wiseinfinitiy-trans.com

わいわいワイズ!現場最前線 編集局

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